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「啓発すること」は、「発信すること」。これから部落差別をはじめ、あらゆる差別の問題について発信していきます。

行橋市人権教育研究大会

◎分科会
第2分科会 こころとからだ
レポート1 小学校の養護教諭からの保健室での取り組みの報告
○アンガーマネジメントとは?
 1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングです。
 怒らないことを目的にするのではなく、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることを目標にしています。
 当初は犯罪者のための矯正プログラムなどとして活用されていましたが、時代の変遷とともに一般化されていきました。

 自分の怒りを知り、上手にコントロールする方法を身につけるのは、あなたが生きていくのに大事なこと。怒りで自分を見失う前に、冷静さを取り戻しましょう。アンガーマネジメントとは怒りやイライラと上手につきあう、ということです。
 人をきずつけない
 自分をきずつけない
 モノにあたらない
 深呼吸して気持ちを落ち着かせよう
 怒りのピークは6秒

レポート2 中学校での不登校生徒への支援の取り組みの報告

スクールカウンセラーの講話
 教育相談の方法 ~スクールカウンセラーからの話を聴くときのヒント~
 教育相談の目的は、児童・生徒を理解すること=情報を収集すること(本人からが大切)
○教育相談の方法
 ◇環境面について
 ・話を聴く体制を整える(自分自身の身体と心 の環境を整える)
 ・座る場所を決める(90度の位置、生徒はドア に近い法)
 ・時間の設定をする。
 ◇話を聴くときのヒント(スキル)
 ・傾聴→共感(難しい)
 ・大人としておかしいこともしっかり聴く(言 わない)
 ・事実を確認する(整理する)絵を描きながら
 ・先生方と共有する
 教育は、成果がすぐにでないもの。心の中の田んぼを耕し、立派な花が咲くように水や肥料を与える。そういうものかもしれない。また、各人にあった目標・ハードルを決めてあげることも大切。

◎全体講演会
これからの人権教育・啓発の課題      ~部落問題をどう語り、伝えるのか~
         石元清英さん(関西大学)
○大学生たち(だけじゃない)がもつ部落に対するマイナスイメージ(暗い、貧しい、閉鎖的など)や誤解(近親結婚が多い、就職差別が多いなど)を色々な資料をもとに払拭、解消してくれました。
同和問題の問題点
・具体的な内容に踏み込めない同和教育
 児童・生徒に質問を許さない同和教育
 すべての児童・生徒に均一な教育成果を求める同和教育
 →具体的な内容に踏み込めない同和教育
   ↓
  リアリティーのない部落問題
  自分の世界とは遠く離れたどこかに存在するだろう部落や部落民

 歴史だけにふれ、いまを教えない→血筋幻想を強化
 部落差別の厳しさの一面的強調→部落=異質なコミュニティ 
 部落=自分の知らないどこかに、自分たちとはまったく違った血筋の人たちが代々、住 み続けている閉鎖的な地区(まったく違う)
・「差別はいけない」という結論だけの強調
 「なぜ」「どうして」を教えない
 「部落差別について考えなければならない」という義務感の押しつけ→またか、おもしろくない
○なぜ人権を学ぶのか
 差別する側に立たない
 差別に加担しない
 差別を傍観しない
 誤解や偏見を批判できる力をつける
 新しい人との出合い
○ひとごとではなく、自分の問題としての人権(自分とのつながり)