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「啓発すること」は、「発信すること」。これから部落差別をはじめ、あらゆる差別の問題について発信していきます。

県民講座2019 第2回

演題 差別 なぜ線を引くのか
~相模原事件から考える~
     講師 神戸 金史
 神戸さんは、2016年、相模原市の「津久井やまゆり園」で障がい者殺傷事件が発生し、直後に障がい者の親として個人的な詩をFacebookに投稿したところ、爆発的に拡散。事件を起こした被告と接見を続け、ドキュメンタリー「SCRATCH 差別と平成」を再びTBSラジオと共同制作。現代日本に広がる差別の姿を描いた。この番組は、「放送文化基金賞」で最優秀賞に、「ギャラクシー賞」で奨励賞に選ばれ、映像化されて「NEWS23」で全国放送された。
 この講演で一番印象に残ったことは、「子どもを巻き込んだ無理心中事件のほとんどの家庭に自閉症の子どもがいる。」という現実です。
 自閉症の特徴として、1社会性のなさ 2こだわりの行動 3コミュニケーションに問題 人混みで走り回る子ども、親はどんなしつけをしているの?というまわりの目。それらのことが親を追い込んでいく。
○相模原事件、植松被告に接見する中で
 1時間足らずに46人を殺傷した植松被告について、自己顕示欲が強く、障がい者について何も理解していない人物で、障がい者=心失者と呼び、名前と住所、年齢が言えない人を次々に刺していった。心失者には、高齢者も入ると答えた。殺害理由も後付けで、トランプ大統領の影響を受け、障がい者の父母のために殺害したと答えたと言う。良い、悪いで二分化し、断定する(中間がない)。自分を卑下しており、自分は役に立たない人間と思っている。
 自分で勝手に線を引いて、線の向こう側にいる人認めない。=何をしてもいい。
 人の価値を他人が勝手に決めないで欲しい。人は、役に立つ、役に立たないじゃない。憎悪の理論、存在を認めない自由などあるはずがない。